やはり産まなくて良かった

岸田首相の「産休・育休中のリスキリング」なる発言がものすごく反発を食らっている。私は出産も育児もしたことがなく、する予定もないのでよく分からないのだが、ワンオペであるとか夜泣きが止まらないとか大変そうな話はよく聞くので、確かに違和感はあるかもね。

ただ個人差はあって、全然夜泣きしない子供もいて、私や私の兄弟がそうであるのだが、私の母は眠れないなんてことは別になかった、と言う。そんな夜泣きするなんて、何かやり方が悪いんじゃないの、とその昔は言っていた(最近ちょっと賢くなったのかあまり言わなくなった。)。また、母乳供給に不自由しなかった人なので、母乳信仰が激しく、母乳で育てられなかった子供はかわいそうだ、などということも平気でおっしゃる(が、最近はそれも言わなくなった。)。また、うちの父親は典型的な日本の男で全然子育てを手伝わず、しかも私が1歳にならぬうちに出稼ぎで家を空け、したがって、母は今で言うところのワンオペ育児をしていたわけだが、むしろ夫がいない方が家事が減ってラク、子育て自由にさせてもらって良かった、などと言う。亭主元気で留守が良いというやつ。そんな頑健なんだか図太いんだかよく分からん我が母のような母親もいるので、一概には言えないのだと思うけれど、まあちょっと明日マミーに岸田発言について意見を聞いてみようかな。

子育ての負担感に個人差がある、というのは生理の苦痛に個人差があるのにちょっと似ている気もする。私の感覚の届く範囲で言えば。「生理ちゃん」という漫画を友達に勧められて試し読みなどしてみたが、私は生理がかなり軽い方なので、正直共感はできなかった。歳をとるにつれて、生理前に胸が張る、足がむくむという症状が出て来て、腰が痛くなる回もあるものの、それ以外に特に痛みはなく、気分の変調もない。だから体育を整理で休むとか、生理休暇ということの必要性が長年分からなくて、正直若い頃は軟弱な連中だと思っていたけれどすまんかった。

我が母が特に育児を大変なものと思っていなかったように、私が特に生理を大変なものと思っていなかったように、女ならこの辛さは分かるはず、というものでもなく、なので、今の時代のようにSNSとか漫画とかなにがしかの媒体でそういう体験が共有されるというのは大事なことだと思う。何につけてもそうなのだろうね。同じ人間といえども、こんなに感じ方や考え方が違うものかね、というのは最近のSNSの発達でつくづく感じるようになった。小説を読んで、いねーよこんな女、下手な作り話しおって、と思っていた小説の登場人物よりもよほど奇異な人間がこの世には実在したりするので、世界は広い。ツイッターは読むばかりで書き込みってほとんどしないのだが、このツールで私の世界の見方は大きく変わった。これがなかった時代のことが思い出せないくらいだ。

あ、何の話してたのか見失った。岸田文雄は愚かな政治家だと思うけれど、その愚かさを一概に糾弾しきれない程度には私も想像力がなく愚かなのであった、ということが言いたかったのではなかったろうか。

でも、現政権を支持などしていないよ。しかし、ある意味感謝しているのだ。日本の現状を見るにつけ、やっぱこの国で結婚したり子供を産むのは不首尾だな、と思わされるし、やっぱり子供を産んでおけば良かったなどと思うような未来は来ないだろうなあと思ってホッとする。そして、この国がやはり守るにも尽くすにも値しない国であることを度々確認して安堵する。

コミットできないけど、別にコミットしたいわけでもないので、ずっとこのままでいて欲しい、という歪んだ感覚がある。

で、何の話をしたかったんだっけ。早く解散総選挙しろよ、とか?でも野党も・・・ああ・・・引き続き何の期待もできない国でまあ良かった、というところだ。

 

追記:マイマザーに上記の件について聞いたところ、まあいいんじゃない?ということだった。ママンならできる?と聞いたところ、できるかもしれない、子育てって四六時中手が空かないってわけじゃないし、という答えだった。

母曰く、子育ての大変さは主に、①子供の夜泣きの程度、②母乳が出るかどうか

で決まるのではないかということだった。

夜泣きは夜眠れないのでそりゃきつい。あと母乳が出ないのも、その度にいちいちミルクを作ってやらねばならぬのでキツい。特に夜が大変。夜は生まれてばかりの頃は夜中にも2、3度起きて授乳せねばならぬが、母乳が出るなら横になったままあげられてラク。しかし、粉ミルクだと台所に出て行って作って戻って呑ませねばならない。

なるほどね〜。あと、夫の協力を得られるかどうかにもよるだろうねえ、という現実的なご意見。あんさんはワンオペ育児だったやんけ、できるんかい、とも思ったが、あの頃は全然疲れなんか感じなかったなあ、という呑気なご意見であった。

本当に人によるのだろうね。しかし、そんな人によるものを、しかも予測のつかないものを、国の金で支援します〜というのも危うい話だよな。国から支援金もらって学費も払ったけど、産まれてみたら育児が大変すぎてリスキリングできませんでした、てなったらその金無駄になったんじゃね?となるよな。なんか、もうちょっと子供を産んでもキャリアを損なわないやり方ってないんかね。まあやっぱり男にも義務的に育休を取らせるところから始める方が早いような気もする。