生涯無子率27%

50歳時点で子供のいない女性の比率が27%、と今日の日経に書いてあった。

もっと未婚率に近い値なのかと思っていたので、意外に高い、と感じたけれど、子供を持たない夫婦も夫婦全体の10%くらいいるそうだから、足せばそんなもんか。

「結婚困難」の人が増えていることが無子率上昇の大きな要因であるという。私自身も独身・子なしであるけれど、「結婚したいと思う相手がいない」「妥協すればできるかもしれんけど、妥協したくない」というのも「結婚困難」に含まれるのだろうか?含まれるとみた。とすれば私もこの分類に入ることになる。

結婚したかったり、子供欲しかったりする人ができないのは気の毒であるし、国として何らかの対策を打つことに反対するものではないけれど、でも子供が減ること自体はそんな悪いことではないと思う。人間が生まれなければ生まれないだけ、他の生命種に生き延びるチャンスが生じる。そもそも人間てこんなでかい動物なのに数が多すぎて他の動植物を圧迫している。それが緩和されるのであれば、むしろいいことでは?人類の持続可能性という観点から見れば、他の生命種だけじゃなく、人類にとってプラスだとさえ言える。

もちろん私自身はそんな理由で子供を持たないわけではない。結婚せずとも子供は欲しい、精子提供を支援してくれるNPOなどに頼ってみようか、などと思ったことすらあるくらい、子供は欲しいと思っていたのだが、その欲望はどうも歪んでおり、というのは、絶対に女の子でなくちゃ嫌だ、女の子でなかったら耐えられないかもしれん、と本気で思っていた。なぜそんな偏ったことになってしまうのか、と内省した結果、私が子供が欲しいというのは、この後悔の多い私の人生をやり直してくれる子供が欲しいということだ、と気づいた。そんな重荷を背負って生まれてくる子供なんて哀れではないか。しかも、その子が私の希望を果たしてくれなかったら私はどう思うんだ。我が子に失望しちゃったりするのか。などと考えるにつれ、子供を欲しいという気持ちはいつの間にか消えて、今は微塵も思わない。友達が生んだ可愛い3歳児と散々遊んだ後でも思わない。

産まない方が良いと思う理由はいくらでもある。日本の経済は衰退過程にある。日本の夏の暑さは年々苛烈になり、この寒冷地ですらもうエアコン無しには生きられない。男女の賃金格差が激しく、女だという理由で医学部を落とされ、就職に苦しみ、夫婦別姓の選択肢もない。そんな国ではとても娘は育てられん。それと私はASDの診断を受けているのだが、我が家族を見る限り、発達障害は結構遺伝する。となると我が子もそうなるかもしれない。発達障害だって幸せになれないわけじゃないが、健常であれば突き当たらないはずの壁に突き当たる可能性はある。そういう困難を我が子に負わせたくはない。

でも、そういうのは全部後付けの理由かもしれない。結局は、子供を育てる体力も気力ももう失われてしまったとわかっているからかもしれない。

未婚率、無子率が上がるのは、私のようなものにとっては結構心強いことでもある。できればそういう人間同士で連帯し合いたい、というのは社会不適合者の夢であるけれども。