確定申告の罠

別に罠でもなんでもないのだが、特定口座は難しい。

今回までで

・特定口座を確定申告してしまって取消しの修正申告をしたいが受け付けられない

・特定口座の損失を確定申告し忘れて修正申告したいが受け付けられない

を両方経験した。

せめてもの救いは私の確定申告じゃなくて、親の確定申告だったことだね、ははは。

しかし前者はそれで親が私の扶養親族から外れることになってしまったので、主に害を被ったのは私であったが。

確定申告というのは大変お人柄の出る作業であって、私の場合、非常にみみっちい作業となる。言わずもがな、最も神経をすり減らすのは、これ経費に付けて大丈夫かしら、何か言われないかしら、これ経費に付けて大丈夫かしら、目つけられないかしら、という経費計上の場面であって、これさえなければ確定申告の苦しみは8割がた消えると言ってよい。つまり経費計上とは己のみみっちさとの戦いなのである。

しかし知り合いの大工などは、帳簿など殆ど付けておらず、確定申告の季節になると、領収書と明細書の一切合切を抱えて確定申告相談会を訪れ、白色申告で済ませてしまう。これを聞いた時私は恐怖に慄いた。これほど剛毅な人が世の中にいるものかと己のみみっちさと引き比べて恥じ入った。じゃあ私もどんぶり勘定の白色で行くぜ、ってなるかといえばなるわけがなく、今年もちみちみと経費を計算した。

こういうのを税理士に頼めるようになったら私もアッパークラスの仲間入りかしら、とも思うのだが、私と同程度の収入で、仕事柄私より多く付けられるはずの経費も一切付けずに税理士に依頼している人なども知っているので、これは本当に性格であって、性格以上のものではなく、確定申告の季節、人は決算書のマス目の中に自らの姿を見い出すのである。

今年もそんなように自らの金銭感覚と格闘しつつ、例年の如く破れた。あとは遠方に住む父親の医療費と社会保険料を控除すれば一丁上がりだ。