全休日、ポーの一族(ユニコーン)

確定申告をほぼ終えて、今日は全休となった。

久々にスシローに寿司食いに行ったが、シャリが甘くて6皿が限界だった。

いつ頃か大変にシャリが甘くなってしまった。なぜだろう。味噌汁も前ほど美味しくなくなった気がする。

百十円皿が百二十円皿になっていたが、思ったほどの値上がりでもなくて、頑張ってるなあとは思った。

そのあとブックオフに行って、萩尾望都ポーの一族ユニコーン」、森見登美彦「恋文の技術」、夏目漱石「坑夫」、町田康「ゴランノスポン」を購入。そのあとリサイクルショップでわりかし状態の良いドア付きのカラーボックスを買った。いつものコース。

ユニコーン」は帰ってすぐに読み終えた。前回買った「春の夢」の続き。違うセクターに属する吸血鬼がわらわら出てきて、吸血鬼同士のゆるいネットワークがヨーロッパに存在することが明らかになる。吸血鬼の始祖は、少なくとも古代ギリシャにまで遡るらしいが、6000年前のエジプトにまで遡ったアン・ライスヴァンパイア・クロニクルズに比べれば今のところは控えめである。

そう、この流れはアン・ライスヴァンパイア・クロニクルズを思い出さずにはいられない。アン・ライスが初めに書いた「夜明けのヴァンパイア」(映画の「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の原作)は、吸血鬼ものとはいえとても個人的で内省的な世界を描いていて、その点では、再開前のポーの一族と同様だったのだけど、次作の「ヴァンパイア・レスタト」からなぜか突然ヴァンパイアの始祖に遡る歴史物語というかレスタトの冒険物語が幕を開けてしまったのである。私は正直それはアン・ライスの「堕落」だったと思っているので、萩尾望都には絶対にそうはなって欲しくないのだけど、まあ今のところ登場人物が多くてわちゃわちゃしてはいるものの、エドガーはレスタトみたいには絶対ならなそうなので、ヴァンパイア・クロニクルズ的な流れにはなるまい。ヴァンパイア・クロニクルズでは最終的にはレスタトを頂点とするヴァンパイア王国が出来上がり、レスタトをはじめとする少数のエリートヴァンパイアにその他多数の三下ヴァンパイアが仕えたり、人間(悪人)を飼って食ったりという、非常にキモチワルイ最終形態をとって、それで大団円ということにしてしまったのである。これは「夜明けのヴァンパイア」からの明らかな後退である。

しかし萩尾望都氏は絶対にそんな話を書くタイプではなく、これまで一貫して描いてきたのは何らかの形でのアウトサイダーだったので、そんなに心配はしていないのだけど。

ところで私の推しキャラはブランカです。「春の夢」ではとても打ち沈んだ様子で幕を閉じてしまったので、ヴァンパイアになってからあの若い頃の多感さや瑞々しさは失われてしまったのだろうかと心配してたのだけど、そこはお変わりない様子でたいそう嬉しい。ファルカとはうまくいくと思っていた。が、立ち位置として今後物語の主軸に出てくることはなさそうなのが残念である。もっと出して欲しいんだけど。

しかし、バリー・ツイスト(仮)の兄への執着はなんか普通ではないなあ。普通兄弟って他人の第一歩やんけ。異母兄弟ならなおさら。多分そのあたりの狂いっぷりがストーリーにうまく絡んでくるのであろうね。

あと今、夏目漱石の「行人」を読んでいる。漱石自身がモデルらしい三沢という胃の悪い人が出てきていて面白い。しかし、氷嚢で胃を冷やすって逆効果じゃねーの、普通患部は温めるのではないか。あとエアコンもない100年前の大阪の夏、本当に暑そう。そして林芙美子の「放浪記」を読んでも思ったが、宿の壁(もしかして襖?)薄すぎて切ない。現代ですら耳栓がないと安心して旅にも出られない私なんぞ到底生きていかれない。それに今のとこの語り手の二郎さんて、もしかして代助同様プー太郎なのでは?読み進めないと分かんないけど。