田舎のおうち

わんわんの散歩をして田舎中を歩き回るのだけど、農村の家というのは立派なのが多い。

もちろん一概に言えることではないし、そうでない地域もあるだろうけど、こと我が田舎に関しては立派な家が多い。

その要因として考えるに、まず、平均的な農家というのは金がある。専業農家で手広くやってる人はもちろん、兼業農家というのもなかなか余裕がある。父さんがサラリーマンとして町にお金を稼ぎに行き、ことによっては母さんも町にお金を稼ぎに行き、爺さん婆さんは田畑をやり、休みの日には父さん母さんも田畑を手伝う。米野菜は自給自足でき、農協に卸す分も多少残る。田植えと稲刈りの時期には家を離れた息子娘も帰ってきて手伝って、収穫した米を持って帰る。

というように、世帯収入としてはサラリーがあり、農業収入ももしかしたらちょっとはあり、米野菜は自給自足で買ういらず、しかも休みの日はみんな農家を手伝うので金を使う暇がない。というわけで、お金が貯まる貯まる。使う暇もないが、田舎では金をつぎ込む娯楽もないし、田舎人は浪費を嫌がる。しかし、家にお金を使うのは浪費ではない、これは投資である。というわけで、人は勢い家にお金をつぎ込む。というわけで、田舎は立派な家が多い。

もっと言えば、車も立派なのが多い。1万人足らずの町だけど、ベンツ、アウディフォルクスワーゲンプジョーあたりのだいたい目ぼしい外車は見られる。

家と車、田舎でお金が流れ着く先トップ1、2だと思う。

夕暮れに灯りのつき始めた家を眺めながら、あの中で人は何を考えてどんな暮らしをしているのだろう、何を楽しみに生きてるんだろう、と考えるのは楽しい。家の間取りを外側から想像するのも楽しい。リビングは何畳くらいあるだろう、とか。

しかし、私自身は将来にわたって田舎に住み続ける気はないのだよな。というのは、やはり戸建てとは何もかも手入れが面倒くさいからである。庭いらん。共同住宅に住みたい。

あと、田舎は地元自治体に取られる区費とか組費とかが高い。そういうのに年間3〜4万円取られた上、労役に駆り出される。例えば、用水周りの草刈りとか、用水のせぎさらいとかそういうのに。農業をやっていない家には関係ないはずだが、火事が起きたら用水の水を使うので、地域共同の利益のためである、と言われるが、そんなわきゃない。圧倒的に農家のためで、その証拠に、草刈りやせぎさらいの実施時期を決めているのは農家の連中である。そして、非農家からも集めた金で、用水を見て回るドローンなぞを2機も買っている。農村とは、農家に搾取されるところである、と言って良い。

そんなわけで、私としては、地方はまあ良いけど、せめて地方都市に住みたい。狭いスペースで良いので、持ち物を減らして、自分の把握できるものだけに囲まれて過ごしたい。車も手放したい。

そういうことが自由に選べるようになるのは、まだまだ先の話である。つまり私は今自由ではない、そして、だから私は子供を産まない、と決心している。

眠いのでまた明日。